◎主催者挨拶 新潟日報社佐藤明社長
先進事例からヒント
定年延長やリモートワークなど多様な働き方が加わる中、経営者は、社員一人一人の健康について気に掛けなければいけない。健康経営は会社の業績はもちろん、企業の価値や新しい人材の採用にも関わってくる。人生100年時代を迎え、企業が地域に貢献するためにも、健康経営は大切だ。本日は各分野の専門家の皆さまに県内外の先進的な事例などを紹介してもらい、推進のヒントを探りたい。
◎新潟県福祉保健部松本晴樹部長
健康立県寄与に期待
新潟県は2019年より、全ての年代が生き生きと暮らせる「健康立県」を掲げたプロジェクトを展開している。中でも働き盛りの健康づくりに力を入れており、「健康経営推進企業」制度を進めている。本フォーラムが健康経営のさらなる拡大につながり、健康立県の実現に寄与することを期待したい。
◎アイセック木村大地CEO
産官学で健寿日本一
健康づくりは個人に委ねるのではなく、企業や地域など組織で仕組みや風土をつくる必要がある。健康経営の文化は現在だけでなく、次の世代にも残していかなければならない。正しいエビデンス(根拠)に基づいた健康づくりを構築するため、産官学が連携し、県民の健康寿命日本一を目指したい。
◎曽根博仁・新潟大学健康教育イノベーションセンター長
職場の取り組みが鍵
健康寿命を延ばすためには、子どもの頃から国民全体で生活習慣を考えなければいけない。とりわけ、働き盛りの健康がますます重要となっている。日本は職場健診や指導などが進んでおり、職場での取り組みが健康寿命延伸の可能性を秘めている。企業、事業者、従業員が協力すれば、大きな効果が得られる。
◎データ
「認定企業」増加の一途 県内外の動向
少子高齢化で労働力確保が課題となる中、従業員の健康維持は生産性向上や組織活性化、優秀な人材確保などの面で重要とされる。経営的視点から従業員の健康管理を考え、健康保持や増進に取り組む「健康経営」に注目が集まっている。
国や多くの自治体は健康経営に取り組む企業・団体を認定したり、顕彰したりする制度を創設。入札での加点などインセンティブ(動機付け)を与えて普及を図っている。
経済産業省は地域の健康課題に応じた取り組みや健康増進を行う企業を「健康経営優良法人」として認定する制度を主導。2021年度は大規模法人部門で2299法人、中小規模法人部門で1万2255法人(3月時点)が認定され、年々増加している=グラフ参照=。このうち本県は大規模19法人、中小183法人にとどまる。
一方、県も19年度から「にいがた健康経営推進企業」の登録制度を開始。6月7日現在で838事業所が登録している。その中で優れた取り組みを行う企業を知事表彰しているほか、本年度からは上位企業を「マスター」として認定する制度を始める。
また、新潟市も「新潟市健康経営認定制度」を設けているほか、協会けんぽ新潟支部も「にいがた健康経営宣言」事業に取り組み、健康経営を促進している。
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