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五月病かな?と感じたら

周りの人に話し、

休息を取ることで回復


 連休が終わり、仕事や学校が再開したけれど何だかエンジンがかからない。いわゆる「五月病」ですが、これは正式な病名ではなく日本特有の呼称です。進学、就職、異動などで新たなスタートを切る人が多い新年度。新しい環境で頑張ろうと意気込んだものの、1カ月ほどで緊張の糸が切れ、休み明けに不調となる人が少なくありません。「環境になじめない」「頑張っても成果を感じられない」「連休で気分をリセットできなかった」ということで、気分の落ち込み、意欲の低下、不安、焦り、疲労感、食欲低下といった症状が見られます。

 五月病は、新社会人や新入生だけに起こるとは限りません。「3年目で後輩を指導する立場になった」「15年目で管理職に昇進した」といった環境の変化によって、誰にでも起こる可能性があります。そのほとんどは、周りに話したり、休息を取ったりすることで自然と回復します。人に話すことで状況を整理でき、問題から距離を置いて客観視できるようになります。休息は、ゴロゴロしたり、ペットと遊んだり、おいしいものを食べたりと、自分の好きなことをしてのんびり過ごすと良いでしょう。

 五月病に診断名をつけるとすると、ほとんどが「適応障害」にあたります。適応障害とは、簡単に言えば、環境が原因で心身に不調が出ること。ストレス要因(環境変化)が始まってすぐに生じることが多いですが、原因が解消されれば治ります。

五月病は自然と回復するケースがほとんどですが、休息を取っても良くならない場合は、単なる五月病の範囲を超えている可能性もありますので専門家に相談してください。原因を整理して考えれば何かしらの対処法はあるはずです。時には要因となる環境から逃げてもいいんです。

 連休明けに元気のない部下や後輩を見かけたら、上司や管理職の方はさりげなく声をかけてください。話を聞いて「まあ、ゆっくり行こうよ」と言ってあげるだけで、相手の心は軽くなると思いますよ。


 





古町心療クリニック 院長

村竹 辰之さん

★PROFILE★

新潟大学医学部卒。日本精神神経学会精神科専門医。2006年に古町心療クリニック開設。生活状況や背景を理解しながら正確な診断を心掛けて治療に当たっている。









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