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思春期の月経不順 ~スポーツとダイエット~


3カ月来なかったら受診の目安

カロリー不足が大きなダメージに



 思春期を迎えた女子に対し、保護者が少し気にかけてほしいのが月経不順になっていないかどうか、ということです。成長期はまだ月経周期が不規則な子どもも多いのですが、毎月1回順調に来ている場合、月経が3カ月連続して止まると「続発性無月経」と診断されます。スポーツで良い成績を上げようと過度なトレーニングや食事制限をしたり、ダイエットで急激に痩せたりすると、こうした無月経になることがあります。

 原因は消費カロリーと摂取カロリーのアンバランス。中高生は成長期なので、成長するためのエネルギーが必要な上、激しい運動をしているならさらにカロリーを取る必要があります。エネルギーに変わるのは米などの主食成分ですが、減量しようとするとそれを抜く場合が多いです。糖質制限がはやっていることも影響を与えていると思います。そうして主食を食べないとカロリー不足になり、無月経になってしまうのですが、それは体が栄養不足になっているというサインでもあります。

 月経が止まって女性ホルモンのエストロゲンの量が下がると、骨に影響が出ます。骨をつくる力が弱くなるのです。骨は10代のうちに成長し、20歳くらいで骨密度がピークを迎えます。その密度を30代くらいまで維持し、40代以降は下がっていくのですが、成長期に骨が成長しないとピークが低くなり、成人後の人生において骨粗しょう症や骨折などのリスクが高まるのです。スポーツ医学界でも、女性アスリートの特徴的な症状はエネルギー不足、無月経、骨粗しょう症と言われています。

 月経不順になってしまったら薬を飲んで体を整えていきますが、いったん機能が落ちてしまうとスムーズに月経が回復しない場合があります。自分にとって体は一つしかありません。特に若い世代は、これからの長い人生のためにも体を大切にしてほしいですね。いつ月経が来たのか忘れないように記録するなどして、3カ月来なかった際は婦人科を受診していただきたいと思います。



 




竹山病院 診療部長・診療支援部長

竹山 希 さん

★PROFILE★

新潟市出身。新潟大学医学部卒。日本産科婦人科学会専門医。女性ヘルスケア専門医。済生会三条病院産婦人科医長などを経て2009年より現職。思春期から老年期まで女性の一生をサポートできる産婦人科医を目指している。


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