(2026/9/7) 「地域枠」と聞いてどのような制度を思い浮かべるでしょうか。「多額の修学資金の貸与と引き換えに地域医療に従事しなければならない入試枠」「医師が不足している地域に医師を派遣する制度」。報道などからそんなイメージを持っている方も多いかもしれません。 私は臨床医として診療に従事しながら新潟県庁で地域枠をはじめとする医師確保の仕事にも携わっています。しかし、地域枠に関わるほど感じるのは、これは単なる「医師を確保するための制度」ではない、ということです。 地域枠の本来の目的は地域医療に貢献する医師を「育てる」ことにあります。では、地域医療に貢献する医師とはどのような医師でしょうか。医学の知識や技術はもちろん大切です。しかし、それだけでは十分ではありません。地域にはどんな人がいて、どんな生活をしているのか。社会では今、何が問題になっているのか。そして自分の持つ知識や技術を「誰のために」どう役立てるのか。社会の中に自分を置き「自分に何が求められているのか」「自分の力を誰のために使うのか」を考える力が、これからの医師には大切だと考えてい